インフルエンザ治療薬イナビルの効果と使い方!下痢や頭痛の副作用は?

インフルエンザの治療薬イナビルの効果や副作用は?



インフルエンザは、毎年11月頃から流行り始め、1~2月にピークを迎えます。

インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、潜伏期間も1~2日と短く、あっという間に発症してしまいますね。


感染すると、発熱や全身症状が突然にして現れ、3日程度は大変つらい日々を過ごさなければなりません。

なぜなら、インフルエンザウイルスは気道の粘膜に吸着し、気管支や肺など呼吸器系の器官で猛スピードで増殖するからです。



20年ほど前まではインフルエンザに特効薬はなく、発熱には解熱剤というように対症療法がおこなわれてきました。

ここ最近では、タミフルやリレンザ、イナビル、ラピアクタなどの抗インフルエンザ薬が開発され、病院でも処方されています。

お薬のタイプは、錠剤や吸入薬、点滴と様々ですが、どのお薬もインフルエンザウイルスの増殖を抑制する作用を持っています。


今回は、そんなインフルエンザ治療薬の中から、2010年から製造されている「イナビル」の効果や副作用についてご紹介します。

ネットで公開されている情報をまとめましたので、是非参考にしてください。

抗インフルエンザ薬「イナビル」とは



イナビルは、たった1回の吸入で治療が終わる画期的なインフルエンザの治療薬です。

また、A型・B型のインフルエンザの治療に用いられます。


イナビルは、A型やB型のインフルエンザウイルスの表面に存在するノイラミニダーゼ(酵素)を阻害して、ウイルスの増殖を抑制します。

インフルエンザウイルスが増殖する気道に、直接粉薬を届けることができるのがメリットです。
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抗インフルエンザ薬「イナビル」の効果

イナビルは、インフルエンザウイルスの増殖を抑える働きがあります。

正しく服用すると、発熱している期間が1日程度短縮することが多いと言われています。


ただ、イナビルを服用している人からは、

「薬が効かない」

「熱が下がらない」

といった評価や口コミも聞かれますが、イナビルは直接インフルエンザウイルスを消すような効果はありません。

あくまでもインフルエンザウイルスの増殖を抑えるための薬ですので、急激な解熱の効果や痛みの緩和はできません。


また、熱があるということは、体の免疫機能が正常に働き、インフルエンザウイルスと闘っている証拠です。

むやみに解熱剤などを使用するのは控えましょう。


抗インフルエンザ薬「イナビル」の特徴(メリット)と使用上の注意

イナビルは、たった1回の吸入で治療が終わるという特徴があります。

そのため、飲み忘れを気にしなくてもよいので有難いお薬ですが、完璧に吸入を終えなければ効果が激減してしまいます。

吸入を失敗しないように、院内で吸入をしてもらえる病院もあるので、自信のない人は医師に相談してみましょう。


抗インフルエンザ薬「イナビル」の用量と服用方法

イナビルは吸入薬で、1本20㎎のお薬が入っています。

ボトルには、①と②のスイッチがついています。



イナビルの服用方法としては、まずボトルの中のお薬を拡散するために、ボトルの底を軽く叩きます。

その後、①のスイッチを押し込み、口にくわえて息をぐっと吸い込んで、息を2~3秒止めます。

次に、②のスイッチを押し込み、①の時と同様に吸い込みます。

吸い残しが無いように、再び①のスイッチを押し込み吸入し、次に②のスイッチを押し込み吸入します。


これで、20㎎が吸入できたことになります。

1回の治療でしっかりと吸入する必要があるため、使用時にきちんとすべて吸入できたか注意しましょう。


イナビル吸引時の注意点としては、

・空気孔をふさがないここと

・下を向いたまま吸入しない、体を起こしながら吸入すること

・吸入後2~3秒間息を止めてから、ゆっくり息を吐くようにすること

になります。



イナビルの用量としては、10歳未満の小児の場合は、イナビル1本(20㎎)を吸入します。

10歳以上の場合イナビル2本(40㎎)を吸入しなければいけないため、もう1本同様の方法で吸入します。

その場合、2日間に分けて使用します。

必ず同じ時間に服用する必要はありませんが、飲み忘れには注意しましょう。


また、イナビルなどのインフルエンザ治療薬は 服用開始日が重要になります。

イナビルは、インフルエンザウイルスの増殖を抑制するお薬ですので、発症から48時間以内に服用すると効果が期待できます。

しかし、それ以上時間が経ってしまうと、ウイルスはすでに増えきってしまっているので、十分な効果は期待できなくなります。


抗インフルエンザ薬「イナビル」の適応年齢

イナビルは、小児から大人まで服用できる治療薬です。

小児の年齢を具体的にいうと、吸入が出来るようになる5歳以上が目安です。

ただし、小さな子供の場合は、保護者や医師がしっかりと注意してみてあげるようにしましょう。


抗インフルエンザ薬「イナビル」の副作用



イナビルは、副作用が少ないといわれていますが、全くないわけではありません。

また、インフルエンザ治療薬の副作用としては、「異常行動」が最も気になるケースだと思います。

今回は、このイナビルの副作用を、「軽度」「重度」「異常行動」に分けて見ていきましょう。


【イナビルの副作用】軽度

イナビルの副作用として最も多い症状が、「下痢」です。

ただ、下痢といっても多発しているわけでなく、僅か4%前後の人に起こっているようです。

その他の副作用として、胃腸炎や、蕁麻疹、悪心、頭痛、眩暈、嘔吐、腹痛、食欲不振などもあげられます。


しかし、下痢や頭痛はインフルエンザの症状としても起こりうるので、イナビルの副作用と断定することは難しいようです。

イナビル服用後に激しい下痢や頭痛になったりした場合は、医師と相談しましょう。


【イナビルの副作用】重度

イナビルの重大な副作用としては、次のような症状があります。

下記のような症状が現れた場合は、速やかに医療機関で受診が必要です。

ショック、アナフィラキシー症状
次のような症状が現れた場合は、ショックやアナフィラキシー症状に繋がる危険性があります。

・蕁麻疹がでる

・血圧が低下する

・顔面が蒼白になる

・冷や汗がでる

・呼吸が困難になる  
 
など

呼吸困難・気管支攣縮
次のような症状が現れた場合は、呼吸困難や気管支攣縮などに繋がる危険性があります。

・息切れがする

・胸が苦しい

・胸が圧迫されたような感覚がある

・胸が痛い

・呼吸が困難になる 

・頻脈になる  
 

など

皮膚粘膜眼症候群・中毒性表皮壊死症・多形紅斑
次のような症状が現れた場合は、皮膚粘膜眼症候群や中毒性表皮壊死症、多形紅斑などに繋がる危険性があります。

・皮膚が赤くなり、擦ると皮が剥がれる

・皮膚に痛みが発現する

・発熱する

・目が充血する

・関節痛がある 

など

【イナビルの副作用】異常行動

抗インフルエンザ薬の副作用で最も問題になっているのが「異常行動」です。

イナビルもノイラミニダーゼ阻害薬なので、異常行動が絶対に起こらないとはいえません。

しかし、製造されてから現在に至るまでには、異常行動の報告があがっていないそうです。


国立感染症研究所研究員の研究チームの発表では、「坑インフルエンザウイルス薬の服用と異常行動には関連性がない」という研究結果が提出されています。

ただ、インフルエンザ治療薬と異常行動の関連性は不明ですが不安は残ると思います。

子供や未成年者が使用する場合は万が一の事故を予防するために、イナビル使用後2日間は保護者がしっかりと様子を確認しましょう。


イナビル使用時の注意事項

以下の条件の方については、イナビルは「使用経験が少ない」と添付文書に注意を記載しています。

  • 高齢者

  • 糖尿病を含む慢性代謝性疾患・慢性・腎機能障害・慢性心疾患などの基礎疾患を有する患者

  • 免疫低下状態の患者

  • 上記の条件に合う方は、必ず医師と相談の上で使用を検討するようにしましょう。


    妊婦や授乳中にイナビルは使用可能?

    イナビルは、妊娠中の妊婦さんや授乳中の方でも使用可能です。


    2013年に第44回日本小児臨床薬理学会で、イナビル投与後の母乳中の薬物濃度が検出限界未満だという測定結果が発表されました。

    また、2014年の7月には「公益社団法人 日本産科婦人科学会」から、妊娠中のイナビル服用は妊娠予後に悪影響は見られなかったとの見解が発表されました。


    このことから、妊娠中ならびに授乳中のイナビル服用については安全性が確認されたことになります。

    ただし、使用する際には必ず医師に相談の上、しっかりと使用を検討しましょう。

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    最後に・・・

    いかがでしたか?

    今回は、インフルエンザの治療薬「イナビル」について、効果や副作用をご紹介しました。


    イナビルは1回の吸入で治療が終わりですが、十分に吸入が出来ていなければ、効果が発揮できません。

    子供さんの場合、確実に吸入ができるかどうか、親としては心配ですね。


    小児科では、吸入する力の有無を調べるインチェックという医療器具を備えておられるようです。

    不十分だと判断された場合は、リレンザなど別のお薬が処方されますから、安心して治療を受けましょう。


    最後までありがとうございました。

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